見直しの住居学15:自然のエネルギーを利用しよう
「発電を原発に依存しない社会を築くために
クリーンなエネルギーで自然を身近に感じる暮らしを・・・」
福島原子力発電所で大きな事故が起きてしまいました。
原子力発電は電気をつくる過程で自然界に安全に廃棄できない物質もつくり出してしまいます。いちど事故を起こしてしまうと人間の力では簡単に制御できなくなり、暮らしや環境に甚大な影響を与えてしまいます。
原発は地震大国の日本にはふさわしくないと思います。
原発に依存している発電の割合をこれからは段階的に少なくして、できるだけ原発に依存しない社会を築くためにも、自然エネルギーを有効に利用する住まいを考えるということが大切になると思います。
私たち日本人は江戸時代の昔から太陽や風、雨、緑などの自然と上手に付き合うことでエコな暮らしを実践してきました。
光設計が提案している「江戸Styleの家」はその江戸の知恵を今に活かして、クリーンな自然エネルギーを有効に使いながらエコで楽しい暮らしを目指しています。
例えば、
- 自然に土に還る自然素材を使って家をつくる…
- 太陽の光で発電をして電気に利用する…
- 太陽の熱を利用して家中の給湯に利用する…
- 雨水をタンクに溜めてトイレの流し水や庭の散水に利用する…
- 地中熱を利用して夏は涼しく冬あたたかい家にする…
- 風の通り道を計画して夏にエアコンの使用を少なくする…
- 緑のカーテンをつくり、エアコンに頼らない暮らしをする…
など工夫次第で楽しく利用できる自然エネルギーはいろいろあります。
【左画像】雨水利用のシステム図です。トイレの流し水に利用、屋根散水、緑のカーテン散水と3つの雨の道を計画しています。
【右画像】ゴーヤとヘチマの緑のカーテンです。
【左画像】雨水メーターです。いま流した水が雨水かどうかこのメーターをみれば分かります。
【右画像】屋根に雨水を散水しています。
また、ソーラーシステムなどは元を取るのに何年もかかり、その間に設備が壊れてしまうので家計の助けにならないという人もいます。確かにその通りかも知れませんが、大切なのは太陽や雨、風、地中熱といった自然のエネルギーをもったいないという気持ちで有効に利用して行こうという姿勢なのです。
太陽光で電気を作れば晴れた日には何か嬉しい気分になります。雨水を使えば、雨の日も得をした気分になり雨の日が嫌な日ではなくなります。風力を使えば風の日も楽しくなります。自然から恵みを受けている、自然と共に生きていると思える価値観が大切なのです。自然エネルギーの有効利用が身近になれば、個人の小さな力でもほんの少し地球環境を健康にすることができると思います。
太陽熱で家中のお湯をつくるソーラー住宅です。
【左画像】ドイツの風力発電がある近未来のような風景です。
【右画像】地下7mの地中熱を利用する住宅のシステム図です。