08 軽量セメントモルタル

モルタル壁のクラック対策
クラック対策を施し美しいモルタルの外壁を作る

住宅外壁としてよく見かけるサイデイングは製品の突き合わせ部にコーキングが必要で、出窓など出隅入隅があると継ぎ接ぎだらけ、コーキングだらけという見苦しい状態になります。コーキングの劣化による漏水も心配です。その点、モルタルはつなぎ目なく、一つの面で外壁や出窓を構成でき、さらに曲面の壁もたやすく作れますから、柔らかな雰囲気の外観も可能になります。こうした利点から、光設計の住宅外壁はモルタルに吹き付けという仕上げが定番になっています。

ただ、モルタルは乾燥する過程で収縮し、表面にひび割れが発生しやすいのが欠点ですから、クラック(ひび割れ)対策は欠かせません。

モルタルのクラックの防止対策として「スーパークラックノンネット」というネットをモルタル全面に伏せ込みます。このネットは耐アルカリ性、耐酸性に優れたガラス繊維で、施工がしやすいようにメッシュ状に加工されています。

モルタルの表面に吹き付ける素材も、弾性リシンというゴムのように弾力のある素材を使うと、表面の吹き付け材がカバーをして、クラック対策として有効です。

外壁は長い間には汚れてきますので、やがては再吹き付けが必要になります。はじめにグレーやベージュ系の濃い色を選んでおくと水垢などの汚れが目立ちにくく、吹き付けし直しまでの期間を長くすることができますから、こうしたことも念頭に外壁の色を提案するようにしています。


クラックノンネット

スーパークラックノンネット。耐アルカリ性、耐酸性に優れたガラス繊維をメッシュ状に加工した製品です。



クラックノンネット施工中

モルタルの下塗りに伏せ込んでいるところです。



ジョリパット

仕上げ吹き付け材「ジョリパット」の柔軟性を示す写真。下地のひび割れもジョリパットの柔軟性によりカバーできます。



大きいサンプルで検討中

外壁に吹き付ける色を大きなサンプルで確認しています。微妙な色は小さなサンプルでは分からないので90センチ×90センチくらいの大きなサンプルで10mくらい離れた所から建築主さんと一緒に見て確認するようにしています。写真のように日があたるところと影になるところに置いて確認すると間違いがありません。



モルタルにリシン吹き付け仕上げの外観

モルタルにリシン吹き付け仕上げ、汚れが目立ちにくい濃いめのベージュ系の落ち着いた色の外観です。今の時代は80%がサイデイング貼りの住宅と云われています。短工期、工業製品で工務店は安心、デザインも模様も豊富なので使いやすいのかも知れません。でも左官の職人さんが手作業100%でつくるモルタルの壁の方がはるかにきれいで魅力があると思います。手仕事を大切にしている光設計では全ての住宅でモルタルにリシン吹き付け仕上げにしています。



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