ヤップ島讃歌(その7)
ヤップには石のお金と貝のお金があります。石のお金の方は「石貨」としてよくテレビで紹介されたりしていますので、ご存じの人もいると思います。大きな2mくらいの丸い石のお金で、村の広場などに立てかけて並んでいます。いまでもヤップの土地はこの石貨でやりとりすると聞きました。お金は動かせませんので、その所有者が変わるということらしいです。
貝のお金も土地などのやりとりに使うのですがこちらは移動できますので、お金のように土地と交換に手渡しをします。貝のお金は、大きなしゃこ貝の殻を切って磨いたものを椰子の縄で編んだ紐に結びつけてあります。私がエルカンさんからいただいたものは5枚の貝が結ばれていて、このお金で土地1つ分だそうですが、その1つ分というのがどのくらいの広さなのか正確には分かりません。土地の境なんかありませんから、あそこからここまでという感じなのです。エルカンさんが指でさした範囲は結構ひろくて、海岸沿いのいい土地でした。私は昔エルカンさんからいただいた貝のお金をもってヤップに行くと、その海岸沿いの土地と交換できることになっているのですが、なにしろ33年前の話しですからエルカンさんはもう忘れていることでしょう。
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中央の垂れ下がっているのが貝のお金です。事務所のエントランスに飾ってあります。もしかすると事務所の中でいちばん価値のあるものかも知れません。何たって、ヤップの海岸沿いの土地1ヶ分ですからね。
下はその貝のアップです。貝の表面に光沢があってとても綺麗です。
“ヤップ島讃歌(その7)” への4件のフィードバック
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最近のコメント
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木下さん、コメントをありがとうございます。木下さんのお住まいも同じように工夫が満載のお住まいになっていて渡辺篤史さんの建物探訪の放映のときにとても評判がよかったです。
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(木下尚久より[12/11])
「建もの探訪」拝見しました。先生の分かりやすい説明で、住みやすい工夫が色々されていることにあらためて感銘を受けました。見学会にお伺いした時のことを懐かしく思い出しました。
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(kokyuBloguserより[10/31])
S.Oさん、近況のコメントをありがとうございます。散歩のときなどときどき前の道を通るようにしています。2階のリビングや畳コーナーで読書をされている姿が目に浮かびます。外壁の色がとてもいい色なので、同じ色の吹き付けを選んだ建築主さんも多いです。
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(S.Oより[10/31])
ご無沙汰しております。我が家が目に入り、驚きました。築13年になりますが、土台がしっかりしているので、先日の地震でも何一つ倒れることもありませんでした。建具も狂うことなく、スムーズです。いつまでも心地よい家で読書するのが、いちばんの楽しみです。図書館から借りて、上橋菜穂子さんの本を再、再読しています。
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ご無沙汰致しております。早稲田の専門のマッハです。(毎年お年賀状ありがとうございます)
今朝、目白まで通勤の為の戸田公園駅までのたつた15分から20分ですがJ-WAVEからミニ避難所住宅…の興味深いおはなしが…
なんと‼️くりはらさーん‼️
Twitterで直ぐに画像で確認!感動致しました。懐かしいお姿拝見致しました!偶然の出来事ですがどうしてもご挨拶させていただきたくて書き込みお許しくださいませ
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磨いた貝のお金には、きっと、心がこもっています。その輝きの中に、ヤップへの思いが、見えるのでしょう。 何でもかんでも機械でつくる時代。でも、家は機械ではつくれません。だから、多くの思いを込めて、作り手も、住まい手も、価値を見いだしながら、作らなければならないのです。
今でも、ヤップで、この貝のお金が使えますように。。。
ゆーちゃんコメントありがとうございます。ゆーちゃんの言うとおりです。心を込めてつくったものはいつまでも輝きを失わないものです。住まいも工事に関わる職人さんたちの手仕事を大切にしながら心を込めてつくりたいと思っています。そうすれば住まい手は自然に住まいに愛着をもってくれて長い間大切にしてくれる住まいにつながると思います。
まってましたヤップネタ。
やはりヤップの人たちは素晴らしい!
元来お金の持つ意味って何だろうと考えさせられました。
お金自体に価値などなく、約束をしるす意味のものでしょう。
この貝のお金を作ったのがエルカンさんかどうかは判りませんが、エルカンさんがお金だと言えばそれはお金になるんですよね。
お互い忘れない程度のことならお金すら必要ないと。
異論はあるかもしれませんが、薄っぺらな紙切れに目の色を変えてしまう我々のほうが、よほど文明的に遅れているような気がしてなりません。
ヤップは豊かですね、人もモノも。
Wさんが思っているとおり、33年前のヤップは人もモノも豊だったと思います。でも今は人の考え方も村の暮らしも違っているかも知れません。それがいいか悪いかは別にして…。それから石貨もこの貝のお金も先祖から伝えられたものなのです。ヤップにある石貨の数も、貝のお金の数も大昔から決まっていて、本来は島から持ち出し禁止のようです。エルカンさんは島のみんなには内緒で帰り際に私にそっとくれました。