時代に逆行の建築基準法改正
6月20日に施行された改正建築基準法…。建築確認申請の手続きに2〜3ヶ月もの時間がかかっている。姉歯事件を繰り返してはならないという目的での法改正なのだが、膨大な書類の提出、審査期間の延長、工事がはじまってからの現場変更ができないなど、机上の審査書類を重視するあまり建築の現場を混乱させている。申請に添付する書類の多さも本当にこんなに書類が必要なのかと思ってしまう。大臣の不燃認定などは今までは認定番号を図面に記載すればよかった。改正後はメーカーにお願いして大臣認定書のコピーをもらって添付しなければならない。
防火サッシを使う場合には、今回確認申請手続きをした木造住宅でアルミサッシのトステムの認定書のコピーだけでA4サイズで43枚、他に給湯器やガスコンロ、換気扇、水栓、排水桝などの設備仕様書をコピーしてつけると60枚は超える。これを正、副、控と3部作ればそれだけで180枚。たった1つの住宅の確認申請手続きにこれだけの書類のコピーが本当に必要なのだろうか。
日本の年間住宅着工戸数120万戸、他にビルや工場、マンション、商業建築物、そのすべての確認申請のときにこのような書類を添付することになる訳なので確認申請という非生産的な法手続きの時に日本中で膨大なエネルギーが使われるということになる。しかもその膨大な書類は添付するだけのことで、メーカー側で既に取得済みの大臣の印鑑が押してある認定書や仕様書の内容を審査担当者がチェックするなどということは当然ありえない。ただ添付されていればそれでいいといういかにもお役所らしい書類なのです。
地球温暖化防止のためにそれぞれの仕事の中でできることを実行して行かなければならないという今の時代にあって、こんな膨大に無駄なコピーを添付させる国土交通省の今回の基準法の改正は時代の流れに逆行する法改悪だと思います。
地元に密着していい住宅をつくっている工務店さんには体力があるところは少ないものです。そんな設計施工の仕事が中心の優良な工務店さんの中には工期の先行きが見えなくなって、立ち行かなくなっててしまうところも出てきます。地域の優良工務店さんに撤退を強いるような法改正は間違っています。地方地方の特色ある町づくりを次の世代に残すためにも、今回の基準法改悪の問題点について、ブログ仲間でいっせいに発信しましょう!
下の「blogランキング」のところをクリックしてい ただけないと票に入りません。ご協力いただければうれしいです・・・
blogランキング
クリック↑してもらえると
ランキングがアップします。
今日もクリックして応援よろしくお願いします。
(クリックは1日1回のみ有効、1週間のトータルでランキングが表示されます。
今日は30番目くらいにいます。)
“時代に逆行の建築基準法改正” への5件のフィードバック
コメントを残す
コメントを投稿するにはログインしてください。
-
予備の眼鏡をつくりました 2024.11.23
-
武蔵野の雑木林を借景にする木の家&エコハウス @栗原 2024.10.15
-
中野の平屋の木の家 建物と外構のパース(完成予想図) @栗原 2024.10.08
-
軽井沢の薪ストーブがある白い木の家 増築計画 @栗原 2024.09.24
-
今年の緑のカーテン ゴーヤの収穫 @栗原 2024.09.23
-
リクシルのショールームに行ってきました @栗原 2024.09.18
-
武蔵野の雑木林を借景にする木の家&エコハウス 上棟 @小泉 2024.09.10
-
武蔵野の雑木林を借景にする木の家&エコハウス 上棟しました @栗原 2024.09.10
-
中野区の平屋の木の家 昨日に地鎮祭を執り行いました @栗原 2024.09.07
-
武蔵野の雑木林を借景にする木の家&エコハウス 土台敷き@小泉 2024.09.04
設計監理ダイアリーの最新記事
- 11月23日 予備の眼鏡をつくりました
- 10月15日 武蔵野の雑木林を借景にする木の家&エコハウス @栗原
- 10月08日 中野の平屋の木の家 建物と外構のパース(完成予想図) @栗原
- 09月24日 軽井沢の薪ストーブがある白い木の家 増築計画 @栗原
- 09月23日 今年の緑のカーテン ゴーヤの収穫 @栗原
最近のコメント
-
(kokyuBloguserより[12/12])
木下さん、コメントをありがとうございます。木下さんのお住まいも同じように工夫が満載のお住まいになっていて渡辺篤史さんの建物探訪の放映のときにとても評判がよかったです。
-
(木下尚久より[12/11])
「建もの探訪」拝見しました。先生の分かりやすい説明で、住みやすい工夫が色々されていることにあらためて感銘を受けました。見学会にお伺いした時のことを懐かしく思い出しました。
-
(kokyuBloguserより[10/31])
S.Oさん、近況のコメントをありがとうございます。散歩のときなどときどき前の道を通るようにしています。2階のリビングや畳コーナーで読書をされている姿が目に浮かびます。外壁の色がとてもいい色なので、同じ色の吹き付けを選んだ建築主さんも多いです。
-
(S.Oより[10/31])
ご無沙汰しております。我が家が目に入り、驚きました。築13年になりますが、土台がしっかりしているので、先日の地震でも何一つ倒れることもありませんでした。建具も狂うことなく、スムーズです。いつまでも心地よい家で読書するのが、いちばんの楽しみです。図書館から借りて、上橋菜穂子さんの本を再、再読しています。
-
(J-WAVEからスマートスピーカー「Google Home Mini」いただきました | 木の家・自然素材の住宅設計なら東京都の光設計より[06/10])
[…] TEAM J-WAVEに登録して、3月23日には生放送でSTEP ONEに小泉と二人で出演をしました。コロナの前だったので森本晋太郎さんとデイレクターさんのお二人が事務所に来てくれて光設計からの5 […]
-
(kokyuBloguserより[03/24])
金子さん、コメントありがとうございます。お久しぶりです。J-WAVE聴いてもらえてよかったです。生放送でしたので緊張しながらお話ししました。お元気でお過ごしください。
-
(金子敏恵より[03/24])
ご無沙汰致しております。早稲田の専門のマッハです。(毎年お年賀状ありがとうございます)
今朝、目白まで通勤の為の戸田公園駅までのたつた15分から20分ですがJ-WAVEからミニ避難所住宅…の興味深いおはなしが…
なんと‼️くりはらさーん‼️
Twitterで直ぐに画像で確認!感動致しました。懐かしいお姿拝見致しました!偶然の出来事ですがどうしてもご挨拶させていただきたくて書き込みお許しくださいませ
カレンダー
ブログカテゴリ
- 小泉ブログ (30)
- 栗原ブログ (559)
- はじめにお読みください (1)
- プロフィール/連絡先 (1)
- 設計監理ダイアリー (1,405)
- 「西川・森の市場」てにもりの家づくり (22)
- 設計編 (52)
- 素材編 (37)
- エコ編 (18)
- 見直しの住居学 (15)
- 竣工写真いろいろ (40)
- 見学会・セミナー (18)
- 01:玄関いろいろ (14)
- 02:リビングいろいろ (18)
- 03:キッチンいろいろ (2)
- 04:作り付けの家具いろいろ (24)
- 最新メデイア情報 (142)
- 住宅誌など掲載リスト (6)
- 無料相談会 (1)
- 建築主さんの情報交換コーナー (1)
- OB建築主さんのお便り (79)
- ヤップ島讃歌 (8)
- みなみ野「通り庭の家」 (1)
- ちいさな地下室の家 (2)
- 桜を愛でる家 (1)
- 実家の山の木でつくる家 (8)
- 地下7m地熱利用住宅 (12)
- 木造3階屋上緑化の家 (9)
- 光と風と暮らす家工事 (1)
- 喜多見エコハウス (13)
- 新百合ヶ丘の家 (1)
- 井の頭公園の家 (1)
- 川越の家 (1)
- 狭山・ギャラリー麦 (10)
- 祖師谷大蔵の家 (1)
- 市川のエコハウス (1)
- 所沢の家工事中!! (1)
- 私の好きな建築 (5)
- 私の好きな映画 (9)
- 私の好きな文庫本 (24)
- 最近読んだ本 (8)
- my off time (143)
- my 旅 (20)
- 節電にエコで協力しよう (7)
- その他 (25)
- 光設計1985年〜の歩み (1)
役所の責任逃れを優先したような基準法の改悪は我々が声を大にして改正しなければなりませんね。
6月20日までほとんど周知が計られないで、ふたを開けたらこんな状態…。設計施工の工務店さんの苦労は大変だと思います。
ひどい改悪ですね。私も近々記事にしようと思っていたところです。
最終的にこの負担は家を建てる住まい手さんにかぶってくるということが
まだどこにも報道されていません。
皆で声を上げていくしかないですね。
中里さんのいう通り、結局は建築主さんに工期の延長という形で負担をお願いすることになってしまいます。零細の工務店さんの中には工期の先行きが見えなくて、立ち行かないところも出てきます。弱者に負担を強いる法改正は間違っています。ブログ仲間でいっせいに基準法改正問題について発信しましょう!
http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/building/news/20070620/508841/
【改正建築基準法】休業する確認検査機関も、戸惑う実務者の声
2007/06/20
仕事にならない! 仕事ができない?
耐震偽装事件を受けて改正された新・建築確認制度が6月20日に始まった。
建築確認を行う確認検査機関でも、制度改正を受けて営業を一部停止して様子見する所がある。京都確認検査機構などがその例だ(写真)。確認検査機関がそんな状況なのだから、設計・施工の現場はどう対応したらよいか、さらに判断しかねる。新制度の施行前日にある構造設計者は、「まだ細かな提出書式もわからない状況で手の打ちようがない。可能であれば細かな運用が明らかになるまで確認申請を出したくないのが本音だ」と語った。
ぶっちゃけ完成していない法律を強引に施行するから、現場が動くわけがない。
国交省の発する法令、解説、書類の記入例が間違いだらけな状況で厳格化って何の冗談ですか?